院長 中田 榮治

当院は昭和40年に医療法人信和会蓮澤病院として開設され50年が過ぎました(平成4年城ケ崎病院に改称)。故三村孝一先生が昭和43年から平成18年まで2代目院長を務められました。まだ精神医療の密室性が高かった昭和の終わりに、病棟の情報公開・精神医療への偏見打破のため、長期にわたり記者を院内に受け入れました。当院を舞台に1年間の連載記事をまとめた「ルポ精神医療」(熊日新聞出版)は精神医療関係者をはじめ広くインパクトを与えました。自らの精神医療を毅然と提示したこのことが当院の基礎となっています。


当院は玉名市街南近郊に位置します。半世紀の歴史の中で病床数は増減し、現在184床(3病棟)と精神科病院では小さめの中規模となっています。病院は段階的に新築され平成25年4月に新病棟竣工でハード整備はひとまず終了し、ユーザー本位の明るく快適な外来と病室になりました。1病棟は個室中心で急性期病棟仕様となっています。外来は玉名地域と近隣市からの患者様がほとんどです。うつ病、不安障害、不眠症等の患者様の新来割合が高くなっています。また地域医療機関からのご紹介は、認知症やせん妄を含む器質性精神障害の患者様が多いようです。その他発達障害、アルコール症、心の悩みなど様々な相談に対応しています。また必要があれば臨床心理士による心理カウンセリングも実施しています。精神科医師、看護師、薬剤師、精神保健福祉士、作業療法士、臨床心理士など多職種によるチーム医療に早期から取り組み、精神に障がいを持つ皆様の社会復帰・自立支援を実践しています。


病院周辺には、地域生活支援センター「ふれあい」、グループホーム「サンビレッジ」「さくら荘」、介護老人保健施設「樹心台」、また市街地に熊本県有明障がい者就業・生活支援センター「きずな」を設置し、それぞれが連携しながら患者や家族の皆様の幅広いニーズに対応しています。玉名地域の皆様方の温かいご理解とご支援を頂いてきたことで、当院が成長できたと感謝しています。今後も信頼される良質の精神医療の提供を目指して職員一同力を合わせ頑張って参ります。

院長 
中田 榮治